学生服の展示会に行ってきました

お知らせ
2022.12.27

初めての学生服展示会

学生服の展示会『TAKIMOTO MESSE』が今年も全国4会場にて開催されました。この度、瀧本株式会社様よりご招待いただき、10月26・27日に開催された大阪会場に行く事ができました。学生服の展示会に行くのは初めてでしたのでかなり興味津々でした。貴重な体験ができましたので、そのレポートをご紹介させていただきます。

広々とした会場には学生服に纏わる色々なものが展示されていました。アパレルブランドの様なトレンドファッションありきの展示会とは異なり、生徒や学校そのものに寄り添ったメッセージ性の高いワクワクするような展示会でした。

 

School SDGs

今回の展示会のテーマは『School SDGs』でした。大きなパネルには、環境問題への配慮やエシカル消費の促進、そして何より生徒達を取り巻く問題として、家庭の経済格差やジェンダーについて、体型や体格の悩み等が取り上げられていました。その問題一つ一つに対し、学校制服ができる取り組みが具体的に提案されていたのが印象的でした。

 

例えば、エシカル消費を考えた時に学生服をお譲りしてリユースする方法や、サイズ直しで長く着用する方法だけではなく、素材そのものをアップサイクルしていく取り組みが少しずつ進んでいる事も紹介されていました。再生ポリエステル生成のプロセス素材の展示を実際に目視する事で、実用化への期待が高まりました。

 

展示会のキャッチコピーである『学校制服は着るサステナビリティ。』というフレーズは学校関係者に留まらず、社会全体にも刺さる考え方だと思いました。SDGs達成の為に学校で取り組める代表的な事の一つが学校制服であるという事を実感する事ができました。

 

スクールタイガー機能ブース

スクールタイガーはTAKIMOTOの基幹である学校制服・スクールユニフォーム専業のブランドです。そのスクールタイガーの機能の数々が学校の教室をイメージしたブースに展示されていました。洗える・抗菌消臭・軽量・撥水・ストレッチ・透けにくい・再帰性反射材・クールビズの8つの機能を体感できるようになっていました。

特に印象的だったのは、再帰性反射材の体感です。光を受けた方向にのみ光る素材を制服に使用する事で、暗い夜道等で生徒の安全性を高めます。実際に取り入れる学校も多いんだそうです。学校制服とは生徒を守る為のものであるとあらためて感じました。

 

 

 

ミライノセイフク・ジェンダーインクルーシブ制服

機能面やコンセプトなど興味深い展示が多くありますが、何と言っても沢山の学校制服を実際に見て比較検討できるのは、貴重な機会なのではないでしょうか。機能性はもちろんのこと、着用する生徒達に寄り添った提案型のものが多い様に感じました。デザインも大変豊富で見応えがありましたね。

 

そしてアフターコロナを見据えていたり、ユニセックスやSDGsなど新しい価値観を提案する「ミライノセイフク」として10年後をイメージした制服の展示も興味深かったですし、LGBTQの生徒にもそうでない生徒にも優しい「ジェンダーインクルーシブ制服」のファーストサンプル展示も印象的でした。多様性を重んじ、誰も取り残さない素晴らしいコンセプトだと感じました。

 

産学連携の新しい形

 

四條畷学園との産学連携の実例も紹介されていました。キャリアデザイン授業支援の一環として、 「デザイナーになろう!コース」を担当したそうです。

「スカートの柄をデザインしよう」というテーマのもと、商品企画の一端を通して自己表現や一般社会とのつながりを意識する事を目的とした試みです。学生服の生地をデザインする実習で、座学・会社見学・グループワークを経て、それぞれのチームがプレゼンテーションを行った経緯が展示されていました。

これはどちらにとっても良い取り組みだなと感じました。生徒達にとっては普段当たり前の様に着ている学生服の成り立ちを知る事ができますし、TAKIMOTO側としては現役の生徒達のリアルな声や視点を知る事ができます。双方にとってメリットが大きい試みですね。実際に生徒達の発案の生地デザインを見ましたが、予想以上にオーソドックスで驚きました。それこそ実際の制服になっていても違和感の無いデザインでしたね。生徒達の「こんな制服が着たい!」という気持ちが実際の学校制服に反映するのは素晴らしい事だと思います。生徒達にとっても良い経験になったことでしょう。

 

TAKIMOTO MESSEを通じて

『TAKIMOTO MESSE』の会場では色々な趣向を凝らした展示が多くありました。その中でも制服研究者でイラストレーターの森伸之先生のコラボレーション企画は夢のある空間として楽しめました。そして各ブランド制服の展示もそれぞれのブランドコンセプトが反映された美しいデザインのものが多くあり、圧巻でした。

『TAKIMOTO MESSE』を通じてあらためて学校制服の存在意義について考える事ができました。その学校のシンボルのような存在である学校制服は、同時に社会全体から見てサステナビリティとの親和性が非常に高い存在でもあります。学校制服の未来の一端がここにありました。これからの学校制服の可能性にも大いに期待が持てそうです。そして次回の『TAKIMOTO MESSE』が今から楽しみでなりません。

関連記事
Related Articles